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デビュタント 競技場編 [第11章 初級競技会挑戦編]

 2007-03-18(Sat) 第41回県馬術選手権大会 馬場馬術競技第2課目2004


 速歩入場:むこうに心配そうに眺める4%先生

■4%先生の下乗り後、【山桜】を馬房で休ませることになった。
腹帯を緩め寝転がらないように無口をかけておく。
「ちょっとだけ、おやつね」と氷砂糖をあげるとボリボリ噛み砕く音がする。
さあ、自分の用意の最終チェック。
オーバーパンツを脱ぎハットもかぶる。
【山桜】のよだれで汚れそうだったので、正装にコートだけは着たままで
白手袋はポケットの中。
(そうだ、4%先生は折り返しを使わなかったけれど
私の場合は使うべきなんだろうな)
(何も言われなかったけれど…)
(くう〜、ねじれずにきちんと折り返しをつけられるだろうか?)
(大丈夫かな? これでいいのかな?)
ふと見ると時計のデジタル表示は9:08
(ウソ?! もうこんな時間)
(15分までに連れて来てと言っていたはず)
クラブの関係者は皆馬場の方にいるので、自分で判断ひとりで行動になる。
(うわ〜、強い風で馬房まわりがバタバタ音をたてているよ〜)
(【山桜】が驚いたりしませんように)
馬房を出て準備馬場まで引いていく。
途中、細い道ではよそのクラブの馬がやってくる。
(いやん、避けられない)
幸い向こうの方には、こちらがド素人とわかったらしく笑顔で「どうぞ」と道を空けてもらえる。
(よかった〜ほっ)
準備馬場の入り口には多くの人が集まっているので、どこをどうぬけていけばいいのか皆目見当がつかない。
貫禄のあるおばさまから、
「3課目の競技をやってるんだから馬場の近くにいないで、
馬が驚いたりするでしょ」とお叱りを受ける。
(申しわけございません)
ようやくクラブのお仲間に声をかけてもらう。
「もう乗る?」「手伝うよ」
(どうすべきかの指示がないのでわからないのですよ〜)
「15分に準備馬場に来いと言われたのですが、
3課目の演技が終わらないとここを通れないし…」とちょっと情けない声。
「4%先生はどちらですか?」と求むるは頼るべきもの。
「準備馬場で乗ってるよ」
(こうなれば、準備馬場に出て馬に乗って先生の指示を仰ぐしかない!)
行く先はコロセウム! ステージに上がるのみ !!
■【山桜】が侍従のようにおとなしく控えていてくれたおかげで、
自分の心の揺れを収めることだけに専心できた。
お仲間も何人も集まってきて、
「この台使って乗って」「前もっているから大丈夫」
「鐙革の長さはこれでいい?」
【山桜】の緑のよだれがついた手を「このタオル使って拭いて」
「はい、コート預かるね」
「長靴拭くから、鐙脱いでみて」
「オッケー、頑張ってね」と皆で送り出してくれる。
勇気100倍 !!!
探す間もなく4%先生が馬に乗ったまま近づいてきて、
「じゃあね、常歩で蹄跡を歩いていて下さい」
「はい!」
「長鞭は1周したら置いちゃっていいですから」
よっしゃー、準備馬場だ! 最も肝心の準備馬場だ!!
【山桜】の常歩がズンワズンワと柔らかく大きい。
馬の後肢の動きに私の座骨がピタリとはまる。
まるで異種間関節だよ、これは!
■この時点で心細さも疑念も怖さも霧散して、気持ちのいい【山桜】と私の世界。
知らない馬がびゅんびゅん走り回る準備馬場なのに、
【山桜】は私のこうしたいと思うとおりに動いてくれるとわかっているから、
ちっとも怖くない。
「常歩で」と言われていたが、私が馬に乗るのは今日これが初めて。
速歩や駆歩の動きについていけないと困ると考えて、あえて速歩にしてみる。
いやいや、なんて乗り心地のいい速歩。
一歩一歩が柔らかいから、しっかり座骨のうさぎ跳びで前へ前へと動ける。
手前を換えて、他の馬の邪魔にならない空間を見つけて左手前駆歩発進。
よっしゃあ!一発で決まる。
「よし!」と【山桜】を愛撫してお仲間の待つ馬場の隅に行く。
「すみません、私の出番っていつごろですか?」
「次だよ」
「へっ?」見るとエントリーひとつ前の方が3湾曲している。
長鞭を預かってもらって、軽速歩でエンジンの回転数を上げていく。
■「もちぇ選手、乗馬は【山桜】、よちよち乗馬クラブ」とコールがある。
もうここからは、何度も頭の中でイメージしたもんね。
ベルが鳴る。
入場するまでのスペースが小さくて、
しっかり直線コースがとれないのが玉にきずだが、それもよかろう。
本馬場内には前の馬の通った経路がきれいな道になっている。
何だ、この通り進めばいいのだ。楽勝〜
入場停止時にちょっと斜めになったのと速歩発進で駆歩になりかけた以外は、
「行きませう、御意! 」と経路が進む。
斜線を常歩で進む時には「【山桜】見せておやり、君の美しい常歩を」と
ちょっと余裕も出る。
駆歩の歩度を伸ばす所では、万が一突き抜けたらやだなと思っておとなしめ。
最後の速歩で中央線に乗る頃には顔がにやけてくる。
「やった、やった、できた〜」
最後の停止敬礼は、思わずにっこり主審に微笑んでしまった。
「【山桜】ありがとう、ありがとうね」と馬場を退場。

次の演技がなんと4%先生。
「先生、頑張ってくださいね」と先生の姿にエールを送るゆとりまで出る。
■しかし、この後どうしたらいいんだろう?
肝心の先生は演技中。
お仲間に相談すると
「取りあえず終わるまで常歩で準備馬場を回っていればいいんじゃない?」
他の人馬の邪魔にならないよう最外周をゆっくり常歩する。
普通なら長手綱でリラックスだが、万が一を考えて手綱は持っておく。
おや、ポニーがいるんだ。
いつもうちのクラブに来る装蹄師さんが待機しているだ。
あらあ、あの不安定な軽速歩は私と同じデビュタントなんだろうな〜
いままで目に入らなかったものが、見えてくる。
ようやく4%先生の演技も終わり、
「次は午後なので馬装を解いて休ませてあげて」と指示をいただく。
■無事終わった〜 満足。
馬房に引き上げる途中に応援に来ていた方々から、
「落ち着いていたね」
「よかったよ〜」
「きれいに乗れてましたよ」と声をかけていただく。
心の底から「おかげさまで」と頭が下がる。
■馬房で馬装を解いて「本当にありがとう」と【山桜】に感謝する。
持ってきていた黒砂糖ブロックを一度に2個3個と大盤振る舞い。
クラブの他の馬にもお裾分け。
ハットも手袋も外して、長靴も脱いでようやく一息。
ああ〜楽しかった、幸せ〜♡


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